Webマーケティングとは?定義や戦略、手法や成功のポイントまで解説
マーケ・広告
Web媒体を利用したマーケティングは、集客・販売促進・アフターフォローなど、あらゆる場面で活躍します。
しかし、Webマーケティングを成功させたいけれど、具体的な進め方やポイントがわからない方も多いのではないでしょうか。
この記事では、Webマーケティングについて、基本的な知識から具体的な手法まで詳しく解説します。
目次
Webマーケティングとは
Webマーケティングとは、WebサイトやSNSをはじめとする、オンラインにおけるマーケティング手法です。
以下では、Webマーケティングの定義、Webマーケティングによって得られる効果について解説します。
Webマーケティングの定義
日本マーケティング協会によると、マーケティングは以下のように定義されています。
マーケティングとは、企業および他の組織がグローバルな視野に立ち、顧客との相互理解を得ながら、公正な競争を通じて行う市場創造のための総合的活動である。
(日本マーケティング協会公式HPより引用)
つまり、マーケティングは、顧客のニーズを探ったうえで、ニーズを満たす製品やサービスを提供して利益を得る活動です。
なかでも、Webマーケティングは、Web上の媒体を活用した手法を指しており、SEO対策・Web広告の出稿・SNS運用などの種類があります。
Webマーケティングを行うことで得られる効果
Webマーケティングによって、企業や店舗は以下のようなメリットが得られます。
- 集客や販促のきっかけをつくれる
- リピーターを育成できる
- PDCAサイクルを回しやすくなる
商品やサービスを売る際、集客→販売→再訪という流れをつくることが大切です。
Webマーケティングは、上記のような流れをつくる活動でもあります。
つまり、Webマーケティングは、見込み顧客への認知から新規顧客の獲得はもちろん、リピーターへの転換に至るまで、あらゆるフェーズの集客の土台といえるでしょう。
また、フレームワークを用いて、マーケティングの効果を定量的に測ることによって、集客における課題の発見や改善にも活用できます。
Webマーケティングの基本戦略の立て方
次に、Webマーケティングの基本戦略の立て方について、4つのステップに分けて解説します。
STEP1.環境分析を行う
まずは、自社や市場を取り巻く環境についての情報を収集して分析します。
環境分析では、主に内部環境と外部環境に分けて分析するケースが一般的です。
内部環境 | 自社や商品の強み・弱み・特徴など |
外部環境 | 顧客・市場・競合他社・世界情勢・政治経済など |
環境分析においては、3つの視点から情報収集を行う3C分析、マクロな視点で分析を行うPEST分析などのフレームワークが用いられます。
環境分析を行ううえで重要なポイントは、客観的な視点に立つことです。
自社に有利な情報を多くピックアップしたり、希望的な観測になったりすると、正しく分析することはできません。
STEP2.ターゲットを明確にする
環境分析のあとは、市場を細分化したうえで、ターゲットとする層を絞り込みます。
ターゲティングにおいては、ペルソナがよく用いられます。
ペルソナとは、ターゲットとなる人物像について、実在する人物のようにリアルに定義したものです。
「20代女性」のような属性だけではなく、「23歳で都内で一人暮らしをしている女性、医療事務の仕事に従事しており休日はカフェ巡りをよくする」というようなイメージです。
具体的なターゲットを描くことによって、ニーズの把握や戦略策定の際、顧客の考えや行動を想像しやすくなります。
STEP3.他社と差別化できるポジショニングを行う
環境分析で得られた情報をもとに、市場におけるポジショニングや差別化要因を検討します。
ポジショニングにおいては、自社の強みを活かすことに加え、実現可能であることが重要です。
目指すべきポジションのハードルが高すぎて、実現可能性が低くなってしまっては意味がありません。
たとえば、技術力を強みとする企業であれば品質の高さ、立地のよさが特徴の店舗であれば利便性など、強みを活かせるポジショニングを行いましょう。
STEP4.顧客にとっての価値を検討する
次に、顧客にとってのベネフィットを検討します。
ベネフィットとは、商品やサービスの利用によって得られる価値です。
自社の強みと顧客のニーズを照らし合わせ、どのようなベネフィットであれば高い価値を感じてもらえるかを考えてみましょう。
STEP5.マーケティング戦略を練る
最後に、具体的なマーケティング戦略を策定します。
戦略立案のフェーズでは、4P分析などのフレームワークを活用するのがおすすめです。
また、戦略を立てる際には、あわせて目標を設定しておくと、施策の結果を振り返るうえで参考になるでしょう。
Webマーケティングに使えるフレームワーク
前述のとおり、Webマーケティングにおいては、さまざまなフレームワークが用いられます。
フレームワークとは、分析や問題解決の際に用いられる「思考の枠組み」です。
フレームワークを活用すると、分析・立案時の視点が明確になり、情報を整理して思考できるメリットがあります。
以下では、Webマーケティングに使えるフレームワークについて紹介します。
STP戦略
STP戦略は、経済学者のフィリップ・コトラー氏が提唱したフレームワークです。
STPは、Segmentation(セグメンテーション)・Targeting(ターゲティング)・Positioning (ポジショニング)の頭文字をとっており、以下の順序で戦略を立てていきます。
- セグメンテーション:市場を消費財市場と生産財市場に分けて細分化する
- ターゲティング:細分化した市場のうち、どの層をターゲットにするか決める
- ポジショニング:自社の強みや競合他社の状況からポジショニングを決める
消費財市場と生産財市場は、それぞれ以下のような特徴をもちます。
顧客 | 変数(分類に用いられる切り口) | |
消費財市場 | 個人消費者 | 性別、国籍、ライフスタイルなど |
生産財市場 | 企業や団体 | 使用頻度、緊急性、購買方法など |
STP分析によって市場を適切に見極め、自社の強みを活かせるポジショニングができると、Webマーケティングは成功しやすくなります。
SWOT分析
SWOT分析は、自社にとってプラス・マイナスに働く要因について、内的要素と外的要素に分けて分析するフレームワークです。
プラス要素 | マイナス要素 | |
内的要因 | Strength(強み) | Weakness(弱み) |
外的要因 | Opportunity(機会) | Threat(脅威) |
内的要因には、自社の人材・ノウハウ・製品・ブランド力などがあてはまり、内的要因の分析によって自社の強みや改善点が明らかになります。
一方、外的要因は、政治動向・市場内のトレンド・競合他社の動向などを指し、長期的な戦略立案のほか、新規事業への参入や撤退の判断材料として活用できます。
PEST分析
PEST分析は、Politics(政治)・Economy(経済)・Society(社会)・Technology(技術)の頭文字をとっており、マクロ目線での分析を行うフレームワークです。
それぞれ以下のような視点から分析します。
- P(政治的要因):法律・条例・規制・公的支援などの動向
- E(経済的要因):景気・経済成長・物価などの動向
- S(社会的要因): 人口動態・ライフスタイル・生活者意識などの動向
- T(技術的要因):商品開発・生産・マーケティングについての技術動向
PEST分析は外部要因の分析に適しており、それぞれの要因によってもたらされる機会やリスクを導き出せます。
3C分析
3C分析は、自社や商品を取り巻く環境について、以下の3つの視点から分析を行います。
・ Customer(消費者)
・ Company(企業)
・ Competition(競合他社)
情報収集の側面が強いものの、単に情報を集めるだけではなく、それぞれの要素の関係性まで踏み込んで分析することが重要です。
4P分析
4P分析は、具体的な実行戦略を立てる際に用いられるフレームワークです。
以下の要素について分析します。
・ Product(商品):どのような商品を提供するのか
・ Price(価格):どれくらいの価格で販売するのか
・ Place(経路):どのような経路で商品を顧客に届けるのか
・ Promotion(販促):どのような手段で顧客に購入してもらうのか
環境分析やターゲティングで得られた情報を4つのPに落とし込んでいくと、自社の強みを活かしつつ、ターゲットに届きやすいマーケティングが実現できるでしょう。
ファイブフォース分析
ファイブフォース分析は、自社の脅威(フォース)について、内的要素と外的要素に分けて分析するフレームワークです。
分類される5つの脅威は、以下のとおりです。
内的要因 | 業界内の競合、売り手(顧客)の交渉力、買い手(供給企業)の交渉力 |
外的要因 | 代替品の登場、新規参入企業 |
内的要因の分析においては、収益性の向上や経営資源の最適化、外的要因の分析では事業の見通しや投資の判断などを目的として実行するのがポイントです。
バリューチェーン分析
バリューチェーン分析は、製品が顧客のもとに届くまでの工程を分析し、プロセスごとに価値やコストを洗い出すフレームワークです。
製造からマーケティングや販売までのプロセスにおいて、それぞれの価値とコストを明確化することによって、経費の削減や価値の向上につながります。
Webマーケティングの主な手法
次に、Webマーケティングで主に用いられる手法について紹介します。
Webサイトの運用
企業のWebサイト運用は、もっとも基本的なWebマーケティングの一つです。
Webサイトの運営にあたっては、目的を明確にすることが重要です。
商品の購入、予約や問い合わせの獲得など、Webサイトの運営を通して達成したい目的を明確化しましょう。
また、運営目的を達成するには、Web広告やSNSなどのチャネルが必要になるケースもあります。
デジタル広告
デジタル広告とは、主にWeb上の媒体に掲載される広告の総称を指し、以下のようにさまざまな種類があります。
種類 | 特徴 |
リスティング広告 | 検索連動型広告とも呼ばれ、ユーザーが検索した語句に関連する広告が表示される |
ディスプレイ広告 | Webサイトの広告枠に表示される広告で、検索履歴などからユーザーの潜在的なニーズまで読み取り表示される |
リターゲティング広告 | 一度Webサイトを離脱したユーザーを追跡して表示される広告 |
純広告 | 特定のメディアの広告枠を買い取り、広告を表示させる |
アフィリエイト広告 | 成果報酬型広告とも呼ばれ、商品が売れた際にアフィリエイターに広告料が支払われる |
ネイティブ広告 | ニュースサイトなどでコンテンツ内に自然な形で表示される広告 |
記事広告 (タイアップ広告) | Webメディアのコンテンツとして掲載される広告 |
SNS広告 | InstagramなどのSNSに表示される広告 |
動画広告 | 動画コンテンツの途中に表示される広告 |
デジタルサイネージ | 交通機関やショッピングモールなどに設置されている電子ディスプレイを使っての広告 |
それぞれの広告に特徴やメリット、デメリットがあるので、用途に合わせて効果的に使い分けましょう。
オウンドメディアによるコンテンツマーケティング
コンテンツマーケティングとは、ユーザーに対して有益な情報を提供することによって、企業のブランド力や顧客との信頼関係を構築するマーケティング手法です。
コンテンツの種類としては、動画やホワイトペーパーをはじめ、さまざまなものがありますが、主要なものとしてオウンドメディアがあります。
たとえば、家電メーカーが自社製品を活用したレシピの情報を発信するのは、コンテンツマーケティングの一つです。
ターゲットはすでに購入している層であることから、新規顧客の獲得には向いていないものの、ロイヤリティを高めるうえでは効果的といえるでしょう。
SNSマーケティング
SNSマーケティングとは、ソーシャルネットワークを活用したマーケティング手法です。
具体的な施策としては、以下のような種類があります。
- 企業の公式アカウント運用
- SNS広告の運用
- インフルエンサーとのタイアップ
- ユーザー参加型キャンペーンの実施
若い世代を中心にSNSで情報収集をするユーザーは増えているため、今後もSNSマーケティングの重要性は増していくでしょう。
Eメールマーケティング
Eメールマーケティングとは、新製品のリリースやセール情報をメールで提供するマーケティング手法です。
SNSの台頭以降、メールマーケティングは古い手法のような印象がありますが、以下のようなメリットがあります。
- 見込み客に絞ったマーケティングができる
- 顧客によって配信内容や頻度を決められる
- 効果測定がしやすい
SNSに比べてリーチできる数やエンゲージメント率は劣りますが、購買意欲の高い層に対して効率よくアプローチできる点が特徴です。
動画マーケティング
動画マーケティングとは、YouTubeをはじめとするSNS上の動画、各媒体における動画広告などを活用したマーケティング手法です。
テキストやバナーに比べて多くの情報量を伝えられるほか、商品やサービスのイメージがしやすく、効果的にPRできるメリットがあります。
Webマーケティング戦略を成功させるポイント
最後に、Webマーケティング戦略を成功させるためのポイントについて紹介します。
マーケティングツールを活用する
マーケティングにおいては、社内外のあらゆるデータを扱い、仮説の検討や効果検証を行います。
そのため、マーケティング業務を効率化するには、さまざまなデータを整理して管理できるシステムが必須です。
主要なシステムとしては、以下のようなマーケティングツールがあげられます。
- SFA(Sales Force Automation):営業活動に関する情報の管理や分析をするツール
- CRM(Customer Relationship Management):顧客との関係構築を管理するツール
- MA(Marketing Automation):マーケティング業務を自動化するツール
顧客データを蓄積・分析する
Webマーケティングでは、施策前後の売上や顧客行動の変化などを分析することが大切です。
また、マーケティング活動のなかで収集した顧客データは、顧客の属性や傾向の分析のほか、次の施策の策定に向けて重要な資料となります。
そのため、取得したデータはノウハウとして蓄積させていき、分析の材料とすることをおすすめします。
顧客のフォローアップ体制を整える
マーケティングにおいては、商品やサービスの購入を目的とすることが多いですが、実際には購入後のフォローアップにも力を入れるべきです。
具体的には、カスタマーサポートの充実、SNSやオウンドメディアにおける有益な情報の発信などがあげられます。
フォローアップ体制が整っていると、顧客との信頼関係を構築できるだけでなく、商品やブランドへの愛着にもつながります。
Webマーケティングを成功させるならJOB DESIGN
スマートフォン一つでWebサイトやSNSを利用できる現代において、Webマーケティングの重要性は日々増しています。
Webマーケティングの効果を最大化するには、ツールやフレームワークを活用しつつ、正しい手順と方法で行う必要がありますが、経験豊富なマーケターでないと難しい部分が多いのも事実です。
マーケターの年収相場はほかの職種に比べて高く、自社で専属のマーケターを雇うのは難しいケースもあるでしょう。
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