マーケティングとは?定義や戦略まで必要な知識をわかりやすく解説
マーケ・広告
「マーケティング」という言葉はよく聞くものの、具体的な定義や内容を答えられる方は少なくありません。
マーケティングは商品を売るための仕組みづくりであるため、マーケティングを理解していればあらゆるビジネスにおいて有利になります。
つまり、企業の経営者はもちろん、会社員やフリーランスにとっても必須の知識です。
この記事では、マーケティングの定義や手法、マーケターの業務内容や流れについて解説します。
目次
マーケティングとは
マーケティングとは、商品やサービスが売れるような仕組みをつくることです。
商品を店頭に置いたり、営業をかけたりするだけで、商品やサービスが勝手に売れることはありません。
市場の動向や顧客のニーズを調査して、商品やサービスを必要としている人に効率よく届けることが重要です。
上記のような一連の流れをマーケティングであるといえるでしょう。
コトラーによるマーケティングの定義
アメリカの経済学者であるコトラー氏は、マーケティングを以下のように定義しています。
「ターゲット市場を選び出し、優れた顧客価値をつくり出し、分配し、コミュニケーションをすることによって、顧客を獲得し、維持し、増やすための技術と知識である」
引用:コトラーのマーケティング・マネジメント ミレニアム版
コトラー氏はSTPや4Pなどのフレームワークを提唱した人物として知られており、近年ではAIやXRなどのテクノロジーを活用して価値を高める「マーケティング5.0」という考え方を導き出しています。
ドラッカーによるマーケティングの定義
オーストリアの研究者であるドラッカー氏は、マーケティングを以下のように定義しています。
「企業の目的は顧客の創造である。~中略~企業の行為が人の欲求を有効需要に変えたとき、はじめて顧客が生まれ、市場が生まれる」
引用:ドラッカー名言集(2)現代の経営[上]
「マーケティングは販売よりもはるかに大きな活動である。~中略~したがって、マーケティングに対する関心と責任は、企業の全領域に浸透させることが不可欠である。」
引用:ドラッカー名言集(2)現代の経営[上]
マネジメントの祖とも呼ばれるドラッカー氏によると、マーケティングは企業全体で担うべきものとされており、マーケターだけが考えればよいものではないといえるでしょう。
マーケティング手法の種類
近年、企業と顧客の接点となるチャネルの多様化にともない、マーケティング手法にもさまざまなパターンが生まれています。
とくにメジャーな手法としては、以下の5つがあげられます。
- マスマーケティング
- ダイレクトマーケティング
- 検索エンジンマーケティング(SEO)
- コンテンツマーケティング
- SNSマーケティング
以下では、それぞれの手法の特徴や効果について解説します。
マスマーケティング
マスマーケティングは、不特定多数の顧客に対してアプローチする手法です。
具体的には、テレビ・ラジオ・雑誌などのマスメディアを用いて広告や宣伝をする方法があります。
不特定多数の見込み顧客に訴求できる点が特徴であり、認知拡大やブランディングとしての効果も期待されています。
ただし、広告施策のなかでもとくにコストがかかるため、予算のある企業でないと取り組むのは難しいでしょう。
ダイレクトマーケティング
ダイレクトマーケティングは、あらかじめ定められたターゲットに向け、メールやSNSを通じてアプローチする手法です。
リスト化した見込み顧客がターゲットとなるため、広く認知を求めるマスマーケティングに比べて、広告効率を高めやすい特徴があります。
また、メッセージの開封率やメッセージ内のリンククリックなどのエンゲージメントを測りやすく、効果検証がしやすい方法としても知られています。
検索エンジンマーケティング(SEO)
検索エンジンマーケティングは、GoogleやYahoo!などの検索結果画面において、Webサイトを上位に表示させてアプローチする手法です。
Webサイトの内容や構造を検索エンジンのアルゴリズムに最適化するSEOがメインとなりますが、広告費を払って上位表示させるリスティング広告なども検索エンジンマーケティングの一種です。
SEOによって検索結果順位を上げるには、それなりのノウハウや時間が必要ですが、一度上位を獲得すればストックコンテンツとして中長期的に機能します。
コンテンツマーケティング
コンテンツマーケティングは、記事や動画などのコンテンツを用いてアプローチする手法です。
顧客にとって有益なコンテンツを公開することによって、興味や関心をひきつけ、認知やナーチャリングにつなげられます。
コンテンツを閲覧する条件として、会員登録、メールアドレスの入力、LINEの友だち登録などを促し、見込み顧客のリストを拡充する手段としても活用できるでしょう。
SNSマーケティング
SNSマーケティングは、TwitterやInstagramをはじめとするSNSを用いてアプローチする手法です。
SNSは拡散力に長けているため、顧客の需要にマッチした投稿ができると、爆発的にヒットする可能性を秘めています。
一方、SNSの運用を成功させるにはノウハウが求められるほか、投稿内容によっては炎上のリスクなどもあり、リテラシーのある運用担当者が必須です。
マーケティングに活用すべきフレームワーク
マーケティングには、ある程度共通して用いることができるフレームワークがあります。
さまざまなマーケティング手法があるなかでも、フレームワークはあらゆる手法において万能に活用できます。
具体的には、以下の4種類をおさえておきましょう。
- 4P分析
- 3C分析
- STP分析
- SWOT分析
以下では、それぞれのフレームワークについて解説します。
4P分析
4P分析は、コトラー氏が考案したフレームワークであり、マーケティングミックスとも呼ばれます。
4Pとは、以下の頭文字をとったものです。
- Product(製品)
- Price(価格)
- Place(場所)
- Promotion(宣伝)
つまり、4P分析は4つの視点からマーケティング戦略を考えることを指しています。
3C分析
3C分析は、以下の3つの要素からなるフレームワークです。
- Customer(市場・顧客)
- Competitor(競合)
- Company(自社)
3C分析では、3つの視点からマーケティングを分析して成功パターンを導き出します。
また、商品よりも企業やブランドに注目している点も特徴です。
STP分析
STP分析は、以下の3つの要素からなるフレームワークです。
- Segmentation(市場の細分化)
- Targeting(市場の決定)
- Positioning(自社の位置付け)
STP分析では、マーケティングに不可欠な要素を明確化できます。
市場の分析から差別化要因の洗い出しまで、マーケティング戦略の基礎を固めるのに適した方法です。
SWOT分析
SWOT分析は、以下の4つの要素からなるフレームワークです。
- Strength(強み)
- Weakness(弱み)
- Opportunity(機会)
- Threat(脅威)
SWOT分析では、内部要因と外部要因をバランスよく分析できます。
そのため、マクロ的な分析に活用しやすいフレームワークといえるでしょう。
マーケティング業務の流れ
マーケティングとは、非常に抽象的な概念です。
そのため、マーケティング業務の具体的な内容をイメージしづらい方も多いのではないのでしょうか。
以下では、マーケティング業務の内容と流れについて解説します。
市場の調査
マーケティングにおいては、顧客が何を求めているのかを知らなければいけません。
市場調査は、マーケティングリサーチとも呼ばれ、マーケティングの第一歩として必要不可欠です。
市場調査では、ターゲットとなる属性の方々を中心に、さまざまなデータを収集して、市場の動向や顧客のニーズを理解します。
なお、市場調査によって収集できるデータは時代の流れとともに変化してゆくため、定期的に実施することが大切です。
マーケティング戦略の設計
マーケティング戦略は、データを集めるだけでは意味がありません。
データを有効に活用したうえで、以下の要素を明確化していくことが大切です。
- どのような商品・サービスを提供すべきか
- どのような顧客に提供すべきか
- どのくらいの価格で提供すべきか
- どのくらいの量を提供すべきか
上記の要素をそれぞれ定義できると、マーケティング戦略の全体像が見えてくるでしょう。
広告・宣伝などのプロモーション活動
商品やサービスが優れていても、知名度がなければ商品が売れません。
そのため、広告・宣伝などのプロモーション活動は必要不可欠です。
SNSをはじめ、さまざまなチャネルを活用してプロモーション活動に取り組むことが大切です。
効果測定とPDCA
マーケティングにおいては、戦略の設計や実行をして終わりではなく、効果測定にもとづく改善を繰り返します。
設計段階では効果的であると考えられていた戦略であっても、実際に成果を出せるとは限りません。
データをもとに集客や売上への貢献度を判断したうえで、施策の改善を図りましょう。
マーケティング施策を成功させるためのコツ
マーケティング施策を成功させるには、以下のようなコツがあります。
- 一人ひとりの顧客に合わせた施策を立てる
- 収集した顧客データを活用する
- マーケティングツールを導入する
いずれも優秀なマーケターであればかならず意識しているポイントです。
以下では、それぞれのポイントについて解説します。
一人ひとりの顧客に合わせた施策を立てる
近年のトレンドはOne to Oneマーケティングとも呼ばれており、一人ひとりの顧客に合わせた施策でアプローチする手法です。
たとえば広告を出稿するにしても、属性や検索キーワードによって広告文やクリエイティブを出し分けることが大切です。
それぞれの顧客が抱えるニーズは異なるため、全員に同じアプローチをするのではなく、一人ひとりに最適なアプローチができるような工夫が求められています。
収集した顧客データを活用する
近年ではWebマーケティングが主流となり、従来に比べて顧客データを収集しやすい環境になっています。
一方、収集できるデータの量が多すぎて、分析まで手が回っていない企業も少なくありません。
そのため、まずは必要なデータを取捨選択したうえで、重要度の高いデータはしっかり分析しましょう。
また、Web上におけるトラッキングだけでなく、アンケートや店頭ヒアリングなどによってもデータを集めることは可能です。
データのソースがWebのみになってしまうと、導き出される結論にバイアスがかかってしまうおそれもあるため、データ収集の方法はいくつか試してみることをおすすめします。
マーケティングツールを導入する
マーケティングツールとは、データの収集や分析、販売や顧客に関するデータ管理などに対応できるツールです。
Webマーケティングの一般化にともない、マーケティングツールの多様化も進んでおり、各ツールはMA(マーケティングオートメーション)やBI(ビジネスインテリジェンス)などに細分化されています。
それぞれ機能や特徴が異なるため、導入ツールを選ぶ際は、自社における要件を明確にしたうえで選択しましょう。
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