SNS広告とは?種類や費用、媒体ごとの特徴と効果を徹底比較
マーケ・広告
この数年で多くの企業がSNS広告に参入しています。
そして、自社でも参入したいと考える企業も多いのではないでしょうか。
SNS広告はターゲティングがしやすく、少額から始められるため企業の規模やジャンルを問わず取り入れたい広告手法です。
この記事ではSNS広告の種類や成功させるためのポイントについて解説します。
目次
SNS広告とは
SNS広告とは、LINEやTwitter、Instagramなどのプラットフォームを利用した広告です。
総務省の報告によると2019年のモバイル端末保有世帯のうち、スマホの保有率は83.4%で、これはパソコンや固定電話よりも高い割合です。
スマホが広く普及した影響で、SNSの利用者が急増し、それに比例してコミュニケーションや情報収集にSNSを利用する人も増加してきました。
この流れを受けて、SNS広告に参入する企業が続々と登場し、今後更に増えていくことが予想されます。
SNS広告の目的
広告は、企業や商品の認知のために行う活動ですが、手段や媒体によって目的が異なります。
SNS広告の目的は「まだ商品を知らない潜在的な顧客に認知してもらうこと」です。
広告には以下のようにプル型とプッシュ型が存在し、SNS広告はプッシュ型の広告にあたります。
- プル型:ユーザーが自分で情報を取りに行くもの。リスティング広告など。
- プッシュ型:企業のタイミングで広告を提示する。SNS広告など。
リスティング広告(ユーザーの検索語句に連動して表示されるWeb広告)のように、アクションを起こしたユーザーに提示する広告は、ニーズが顕在化しており認知よりも購買や申し込みといったコンバージョンを目的とするケースが多いです。
SNS広告が該当するプッシュ型の広告は、まだ商品を認知していない層に有効な方法で、認知や集客といった目的があります。
そのため、SNS広告は「新規顧客の獲得」や「企業の認知度、イメージアップ」などの目的で運用するのに有効な手法です。
SNS広告の効果とメリット
SNS広告の効果とメリットは以下のとおりです。
少額から始められる
SNS広告は自社で予算を決めて運用でき、少額から始められる点がメリットです。
また、ほかのWeb広告よりも少額でスタートできます。
もちろん大きな効果を得るためには、ある程度の費用を投資する必要がありますが、少額から始めて効果を分析してから予算を増やすことも可能なため、リスクを最小限に抑えられます。
ターゲットを絞って配信できる
SNS広告は、プラットフォームの種類やユーザーの行動履歴からターゲットを絞って配信できます。
プラットフォームの種類は、若い女性がターゲットならFacebookよりもInstagramやTikTokを選ぶなど、利用者層を考慮して選ぶといいでしょう。
また、アカウント作成時に登録したユーザー情報(性別や年齢)や、SNS上での行動(いいねやフォローなど)によって、更にターゲットを絞ることが可能です。
たとえば「料理が好きな30代の女性」や「資産運用に興味がある20代会社員」などピンポイントで商品をアピールしたい層に情報を届けられ、効率的に広告を運用できます。
潜在ユーザーにリーチできる
SNS広告はプッシュ型の広告のため、ニーズはあるけれどまだ自社や商品を知らない「潜在ユーザー」にリーチできる点がメリットです。
行動履歴をもとに潜在的ニーズがあるユーザーに表示でき、コンバージョンにつながりやすい見込み客にアプローチができます。
ユーザーが読みやすい自然な広告
SNS広告にはインフィード広告など一般の投稿に溶け込むものが多く、ユーザーが拒否感なく受け入れやすい特徴があります。
基本的に人は広告を嫌う傾向にあり、広告に対して嫌悪感やストレスを抱く人も多いです。
SNS広告はほかの投稿に溶け込んで自然な流れで表示されるため、いかにも広告といった印象が少なく、ストレスなく受け入れられます。
各SNS広告の種類と特徴を比較
各SNS広告の特徴をまとめると以下のようになります。
プラットフォーム | 国内 ユーザー数 | 広告の表示場所 | 広告の種類 |
2,600万人 | タイムライン ストーリーズ 広告枠(PCのみ) | 画像広告 動画広告 カルーセル広告 コレクション広告 スライドショー | |
3,300万人 | ストーリーズ フィード 発見タブ リール | 画像広告 動画広告 カルーセル広告 コレクション広告 | |
4,500万人 | タイムライン 広告枠 | テキスト広告 画像広告 動画広告 カルーセル広告 モーメント広告 | |
LINE | 9,300万人 | トークリスト LINE NEWS LINE VOOM | 画像広告 動画広告 カルーセル広告 バナー広告 |
YouTube | 7,000万人 | 動画内 検索画面 広告枠 | バンパー広告 インストリーム広告 インフィード広告 マストヘッド広告 アウトストリーム広告 オーバーレイ広告 |
TikTok | 1,700万人 | 起動時の画面 投稿画面 | 起動時画像広告 チャレンジ広告 インフィード広告 |
それぞれのプラットフォームごとの特徴について詳しく見ていきましょう。
Facebook広告
Facebook広告には以下の特徴があります。
- 実名での登録で信頼性が高い
- ビジネスでよく使われる
- 30~50代と年齢層が高い利用者も多い
Facebookは世界のアクティブユーザー数が29億6,000万人と世界最大級のユーザー数を誇るプラットフォームです。
日本でのユーザー数は2,600万人で、TwitterやInstagramには劣るもののビジネスシーンでの利用や年齢層が高いユーザーが多いという特徴があります。
Facebook広告は、タイムラインやストーリーズといったFacebook上の投稿だけではなく、InstagramやMessengerなどほかのアプリにも配信ができます。
広告の種類は画像広告、動画広告などがあり、複数枚の画像や動画をスワイプで見られるカルーセル広告や1つの画面で複数枚の写真を貼れるコレクション広告を使うと商品の詳細も伝えられます。
Instagram広告
Instagram広告には以下の特徴があります。
- 若い世代のユーザーが多い
- 視覚的なアピールができる
- Facebookと連携して運用できる
Instagramは画像や映像を投稿するプラットフォームで、美容やスイーツなど写真映えするジャンルとの相性が抜群です。
以前は女性ユーザーの比率が高かったのですが、現在は男性ユーザー数も増えてきており、男女どちらのターゲットにも使えます。
広告の配信場所は一般的な投稿のフィード、24時間限定で公開されるストーリーズ、虫めがねマークを押すとでてくる発見タブ、短い動画投稿であるリールの4種類です。
発見タブはユーザーが新しい情報を探しているときに押すため、新規顧客の獲得に有効な配信場所といえます。
Twitter広告
Twitter広告には以下の特徴があります。
- 利用者層が幅広い
- 拡散力が高い
Twitterの利用者層は20〜30代の若い世代が中心ではありますが、40代以降の利用者も増えてきており、幅広い年齢層をターゲットにできます。
また投稿をシェアできるリツイート機能があるため、ほかのSNSよりも拡散力が高く、爆発的な話題を集める「バズ」が起きやすいプラットフォームです。
広告はタイムラインや検索タブの上部に掲載できます。
タイムライン上の広告には、ほかの投稿に溶け込みやすいものや、フォローボタンを表示して新規顧客を獲得しやすいものなど、さまざまな種類があります。
広告の種類は動画広告や画像広告のほかに、文字だけのテキスト広告や複数のツイートをまとめたモーメント広告など、Twitterならではの広告があるのが特徴です。
テキスト広告はほかの投稿になじみやすいため、ユーザーに受け入れやすく、ひねりのあるユニークな投稿はバズりやすいです。
LINE広告
LINE広告の特徴は以下のとおりです。
- 利用者が多い
- SNSを利用しない層もカバーできる
- 配信先が豊富
LINEは日本でもっとも利用者数が多いプラットフォームで、今やコミュニケーションツールとしては欠かせない存在です。
ほかのSNSを利用しない層の利用者も多く、InstagramやTwitterではカバーできない層までリーチできます。
広告の配信場所は、トーク画面の上部や、LINE NEWSの広告枠、ほかのSNSでいうタイムラインにあたるLINE VOOMの3種類です。
トーク画面やLINE NEWSにはバナー広告がよく使われ、LINE VOOMでは画像や動画などを利用した広告が使われます。
今回はLINEアプリ内の掲載場所を紹介しましたが、LINEはトークアプリ以外にも「LINEショッピング」や「LINEマンガ」などさまざまなサービスを提供しており、配信先が豊富にあります。
YouTube広告
YouTube広告の特徴は以下のとおりです。
- 利用者層が幅広い
- 映像広告が中心
動画投稿を行うYouTubeは若い世代からシニア層まで幅広い世代が利用し、ほかのプラットフォームでは難しい層もターゲットにできます。
広告は動画内で流れる映像広告と、検索画面などに表示される広告があり、詳細な種類は以下のようになっています。
広告 | 備考 |
バンパー広告 | 動画内で流れる6秒間のスキップできない映像広告。 |
インストリーム広告 | 動画内で流れる映像広告。5秒でスキップできるものとできないものがある。 |
インフィード広告 | 検索結果や関連動画の画面に表示される広告。 |
マウスヘッド広告 | ホーム画面最上部に表示される広告。 |
アウトストリーム広告 | 動画の再生画面外で表示されるモバイル専用の動画広告。 |
動画再生の前後や再生中に流れる映像広告は、6秒間で完結するバンパー広告と6秒以上のインストリーム広告の2種類です。
インストリーム広告には5秒後にスキップできる「スキッパブル広告」とスキップできない「ノンスキッパブル広告」があります。
インフィード広告は検索結果画面などに表示され、興味をもったユーザーがクリックすることで視聴ができる広告です。
もっとも目立つ場所に掲載できるマウスヘッド広告は、詳細なターゲティングはできないものの、幅広いユーザーに見られるため大規模なプロモーションをしたいときに有効です。
アウトストリーム広告は動画の視聴を邪魔せずに表示でき、YouTube以外のWebサイトやSNSへ誘導できます。
TikTok広告
TikTok広告の特徴は以下のとおりです。
- 若い世代の利用者が多い
- 利用者参加型の広告ができる
TikTokは短い縦長の動画を投稿、シェアするプラットフォームです。
10代の若い世代を中心に人気を集めてきましたが、最近では30〜40代の利用者も増え始めています。
TikTok広告には起動時画面広告、チャレンジ広告、インフィード広告の3種類があります。
起動時画面広告はTikTokを起動した際に流れる広告で、全ユーザーに配信されるため広告効果が非常に高いです。しかし1日1社限定で値段も高額と、ハードルの高い広告でもあります。
チャレンジ広告は、企業が提示したテーマについてユーザーが#(ハッシュタグ)をつけて投稿する参加型の広告です。
こちらも費用は高額ですが、ユーザーによる拡散が期待できます。
インフィード広告は一般の広告に溶け込みやすいため、広告だと感じられにくく、自然に視聴してもらえます。
SNS広告の費用
SNS広告にかかる費用を課金方式別に解説します。
なお、費用についてはプラットフォームや広告の内容などによって大きく異なります。
インプレッション課金
インプレッション課金は、広告が表示された回数に応じて費用が決まる課金方法です。
表示回数の設定ができるため、費用のコントロールがしやすいメリットがありますが、クリックの有無に関わらず費用がかかるため、費用対効果が悪くなる可能性があります。
費用相場は1000回の表示で100円〜700円程度です。
クリック課金
クリック課金は、広告がクリックされると費用が発生します。
興味を持ったユーザーに見てもらえますが、広告リンク先での購入や申し込みの有無は問わないため、コンバージョンにつながらない場合でも費用がかかります。
費用相場は1クリックで30〜200円程度です。
エンゲージメント課金
エンゲージメント課金は、シェアや「いいね」などユーザーがアクションを起こしたときに費用が発生します。
どのアクションがエンゲージメントにあたるのかは、プラットフォームによって異なります。
費用相場は1アクションについて40〜100円程度です。
再生課金
再生課金は、動画の視聴回数に応じて費用が発生する課金方式です。
基本的には、10秒間など決まった時間視聴された場合に費用が発生します。
費用相場は1再生で2〜20円程度です。
インストール課金
インストール課金は、広告経由でアプリがインストールされた際に費用が発生します。
実際にインストールされてから費用が発生するため、費用対効果が高いです。
費用相場は1インストールで100〜200円程度です。
SNS広告の費用対効果を高めるには
SNS広告の費用対効果を高めるポイントを解説します。
的確なターゲティング
SNS広告のメリットであるターゲティング精度の高さを活かして運用すると、費用対効果を高められます。
ターゲットの性別や年代、生活様式などを的確に設定しましょう。
最適な出稿先の選択
プラットフォームによって利用者層のボリュームゾーンが異なるため、ターゲットに合わせた出稿先を選ぶことが重要です。
ターゲットが集まりやすく、商品の魅力をアピールしやすいプラットフォームであるかを見極めるようにしましょう。
定期的な効果測定
SNS広告の運用では、効果測定を行い改善を繰り返すことでより効果を高められます。
エンゲージメント数やコンバージョン率を数値化して分析することで課題が見つかるため、定期的に効果測定を行いましょう。
SNS広告の運用を成功させるならJOB DESIGN
現在SNSはコミュニケーションや情報収集に欠かせないツールとなっています。
SNS広告の運用は必須となりつつあり、SNS広告の運用で高い効果を得られることが期待できます。
SNS広告の運用にはプラットフォームごとの特徴を把握し、適切な方法や予算を見極めることが重要です。
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