BtoBマーケティングの手法と施策を徹底解説!成功事例から学ぶポイント
マーケ・広告
BtoBマーケティングには、BtoCマーケティングとは異なる特徴があり、BtoBマーケティングならではのプロセスや戦略が存在します。
そのため、ターゲットが企業・事業者の場合、マーケティングにおけるアプローチを変える必要があります。
この記事では、BtoBマーケティングについて、基本的な知識から手法と施策まで、詳しく解説します。
目次
BtoBマーケティングとは
BtoB(Business to Business)は、事業者どうしの取引を指しています。
つまり、BtoBマーケティングとは、企業に対して商品やサービスを販売するための戦略をたてることです。
BtoCマーケティングとの違い
BtoC(Business to Customer)は、企業と一般消費者の取引を指しています。
BtoBとBtoCには、以下のような違いがあります。
BtoB | BtoC | |
対象 | 企業や組織 | 個人 |
顧客数 | 少ない | 多い |
単価 | 数万円〜数億円 | 数百円〜数百万円 |
購入までに関わる人物 | 多い | 少ない |
購入までにかかる期間 | 長い | 短い |
購入の目的 | 企業・組織の利益 | 個人の利益や満足 |
個人を対象とするBtoCに比べて、BtoBは顧客との接触回数が多く、時間をかけて購入までもっていく点が特徴です。
個人の場合、感情や衝動が購入のきっかけとなることが多いですが、企業の場合は稟議や決裁を経て購入に至ります。
つまり、BtoBマーケティングにおいては、顧客の感情に訴えかけるよりも、合理性や利便性を明確に伝えることがポイントです。
BtoBマーケティングの戦略
BtoB商材の場合、営業活動から購入までにかかる時間が長くなりやすい傾向があります。
そのため、長期的な販売戦略をたてて、プロセスごとにKPI(数値目標)を設定するような戦略を練ることが重要です。
また、BtoBマーケティングで求められるのは、顧客の課題をどのように解決できるかをロジカルにアピールすることです。
BtoBマーケティングでは、顧客と自社製品の分析を丁寧に行い、製品が顧客にもたらす利益、競合他社の製品との違いを明確にしましょう。
BtoBマーケティングのプロセス
BtoBマーケティングは、以下のプロセスで進めていきます。
- SEOや広告による集客
- リードの獲得と育成
- 営業によるクロージング
SEOや広告による集客
まず、リード(見込み客)になる可能性のある企業に対し、商品やサービスを認知してもらいます。
以前は展示会や直接訪問をはじめ、オフラインでの営業が主な手法でしたが、近年ではインターネットを利用したオンライン集客をメインとするケースが増えてきました。
たとえば、コンテンツサイトを運営するSEO、リスティング広告やSNS広告などのオンライン広告などが代表例です。
リードの獲得と育成
次に、集客によって獲得したユーザーのうち、購入や契約の可能性が高いリード(見込み顧客)を選別します。
リードの育成には、以下のような手法が使われます。
- ホワイトペーパー
- メールマガジン
- インサイドセールス
ホワイトペーパーとは、業界の動向や自社の情報、製品の導入事例など、リードにとって役立つ情報を記載した資料のことです。
リード獲得において効果的な手法であり、自社に興味をもった企業に対して、関心を高めてもらうことが期待できます。
一方、メールマガジンとインサイドセールスは、リード育成によく用いられる手法です。
メールマガジンによる情報発信、インサイドセールスによる営業活動をとおして、企業どうしの信頼関係の構築を目指しましょう。
営業によるクロージング
リードとの関係を構築したあとは、営業にバトンタッチしてクロージングの段階に入ります。
クロージングは、購入や契約に結びつく商談活動を指します。
従来はインサイドセールスによってリードの熱量を高めて、営業担当がクロージングする手法が一般的でしたが、最近ではオンラインでクロージングまで完結させるケースが増えています。
一方、商材によっては直接対面して紹介した方が成約率が高いビジネスモデルもあるため、クライアントのニーズを考慮して検討しましょう。
BtoBマーケティングの主なフレームワーク
フレームワークとは、ある事柄を決めるときに使う考え方の枠組みで、マーケティングの世界では分析や施策立案でよく使われます。
以下では、BtoBマーケティングにおけるフレームワークについて紹介します。
PEST分析
PEST分析は、マクロ環境分析に使われるフレームワークです。
製品や市場を取り巻く外的要因について、以下の4つ視点から分析します。
4つの外的要因 | 具体例 |
Politics(政治的要因) | 政府による規制など、市場競争のルールに影響するもの |
Economy(経済的要因) | 景気や為替の変動など、売り上げなどに直に影響するもの |
Society(社会的要因) | 人口動態や流行など、顧客のライフスタイルに影響するもの |
Technology(技術的要因) | 生産技術の変化など、生産プロセスに影響するもの |
PEST分析は、外部環境の変化の分析によって、中長期的な計画、顧客ニーズの変化の把握などができます。
単なる要因分析にとどまらず、将来的な展開まで予測することで、顧客のニーズを先取りできるでしょう。
5F分析
5F分析は、業界内の5つの脅威(フォース)を分析するフレームワークです。
5つの脅威とは、以下のとおりです。
業界内の競合 | 競合他社との競争 |
代替品の脅威 | 代替品の登場による、顧客の流出やニーズの変化 |
新規参入の脅威 | 新規参入による競争の激化や収益性の低下 |
買い手の脅威 | 買い手(顧客)からの値引き交渉など |
売り手の脅威 | 売り手(仕入れ先)からの交渉による利益の低下 |
5つの脅威について客観的な分析を行い、自社の強みや市場での立ち位置を明確にしたうえで戦略をたてるのに適しています。
3C分析
3C分析は、3つの視点から自社を取り巻く環境を分析するフレームワークです。
- Customer : 顧客、市場
- Company : 自社
- Competitor : 競合
それぞれの要因を別々に考察するのではなく、関係性を把握することが成功の鍵です。
顧客のニーズを把握し、自社の強みを活かし競合他社と差別化できるポイントを見つけ出すために役立ちます。
SWOT分析
SWOT分析は、自社や製品の強み・弱みについて、内的要因と外的要因にわけて分析するフレームワークです。
プラス要素 | マイナス要素 | |
内的要因 | Strength(強み) | Weakness(弱み) |
外的要因 | Opportunity(機会) | Threat(脅威) |
内的要因には、自社の強みとなるノウハウや技術力、弱みとなる改善点などがあります。
一方、外的要因にはトレンドや市場の変化、競合他社の変化などがあり、PEST分析や5F分析の結果を流用することも可能です。
BtoBマーケティングに効果的な施策
続いて、BtoBマーケティングに効果的な4つの施策について紹介します。
コンテンツマーケティング(SEO)
コンテンツマーケティングとは、顧客にとって役立つ情報を提供するコンテンツを作成するマーケティング手法です。
代表的なコンテンツマーケティングの手法として、オウンドメディアの運営があります。
オウンドメディアとは、企業が独自に運営するメディアサイトを指しており、転職サイトであれば履歴書の書き方や面接のコツなどを紹介するケースが考えられます。
リスティング広告
リスティング広告とは、検索連動型広告と呼ばれ、GoogleやYahoo!で検索したキーワードに応じて表示される広告です。
たとえば「英会話 オンライン」と検索したときに、検索結果画面の上部にオンライン英会話サービスのWebサイトが表示されているのがリスティング広告にあたります。
特定のキーワードで検索したユーザーに対して、ピンポイントで広告を表示させられるため、ニーズをもっているターゲットに広告を見てもらえるメリットがあります。
SNS運用・SNS広告
SNSを活用したマーケティング手法は、主にSNS運用とSNS広告の2種類です。
SNS運用では、TwitterやInstagramなどのSNSで公式アカウントを運用します。
自社の認知やブランド力の向上を狙えるほか、ターゲットとなる顧客と双方向的なコミュニケーションをとれます。
SNS広告は、SNS上の広告枠に表示される広告の運用です。
商品や顧客の特徴に合わせて、親和性の高いSNSを選びましょう。
セミナー・ウェビナー
セミナーは、集客やリードの獲得から育成まで、幅広い目的で開催されます。
最近では、Zoomなどを利用したウェビナーが主流となりつつあり、セミナーの開催や参加に対するハードルは大幅に低くなっています。
また、自社でセミナーを主催しなくても、他社の開催するセミナーにスポンサーとして参加する方法もあります。
BtoBマーケティングの成功事例
次に、BtoBマーケティングに成功している企業の事例について紹介します。
【製造業】株式会社村田製作所
株式会社村田製作所は、京都府長岡京市に本社を置く、電子部品や半導体のメーカーです。
村田製作所のBtoBマーケティングの特徴は、以下のとおりです。
- デジタルマーケティングに注力
- 複数のWebメディアを運営
- MAツールの活用
早期からデジタルマーケティングに注力し、非対面のインサイドセールスを積極的に取り入れてきました。
また、コーポレートサイトのほかに、InstagramやTwitterなどのSNS、noteなどのWebメディアを多角的に展開しています。
さらに、顧客の購入プロセスがわかりにくいという課題に対し、MAツールの導入によって顧客情報や行動のデータ管理を徹底しています。
【IT】株式会社トリニアス
株式会社トリニアスは、中小企業の集客支援を行う企業です。
トリニアスでは、以下のようなBtoBマーケティングに取り組んでいます。
- インバウンドマーケティングに注力
- コンテンツメディアの運営
トリニアスは、見込み客にメールや電話での営業を行うアウトバウンドマーケティングに限界を感じ、インバウンドマーケティングに移行しました。
インバウンドマーケティングとは、オウンドメディアやSNSを通じて企業情報やお役立ち情報を発信し、顧客側に企業を見つけてもらうマーケティングです。
オウンドメディアを運用してSEO対策に力を入れたり、広告運用を行ったりして、効率的なマーケティングを実現しています。
当初、新規顧客獲得に課題をもっていましたが、インバウンドマーケティングに注力した結果、月間の見込み顧客獲得数は200件を超えています。
【運送業】株式会社ロジクエスト
株式会社ロジクエストは、顧客のニーズに合わせた配送代行サービスを提供する企業です。
ロジクエストは、以下のようなBtoB施策で成果をあげました。
- MAツールで名刺やテレアポリストを一元化
- インサイドセールスに注力
- 自社ホームページを改善
ロジクエストでは、飛び込み営業やテレアポなどの営業活動が中心でしたが、MAツールの導入やインサイドセールスへの注力によって効率化を図りました。
インサイドセールスにより営業効率が上がっただけでなく、営業担当が個々に管理していた顧客情報が共有できるようになり、無駄な業務の削減にも成功しています。
また、ホームページからの問い合わせの成約率が高いことに着目し、ホームページを見やすく改善したことも成約数アップにつながりました。
BtoBマーケティングのおすすめの本3選
最後に、BtoBマーケティングの基礎知識や実践方法が学べる本について紹介します。
現場のプロが教える! BtoBマーケティングの基礎知識
『現場のプロが教える!BtoBマーケティングの基礎知識』は、BtoBマーケティングの現場で活躍するプロが共著した書籍です。
初心者向けにBtoBの基礎知識や施策が書かれており、フレームワークやマーケティング手法について、現場の目線から丁寧に説明されています。
BtoBマーケティングの定石 なぜ営業とマーケは衝突するのか?
『BtoBマーケティングの定石 なぜ営業とマーケは衝突するのか?』は、デジタルマーケティングで有名な垣内勇威氏の著書です。
BtoBマーケティングの本質から始まり、具体的な手法やテクニックまで幅広くまとめられています。
営業とマーケティングの関係性について切り込む内容となっており、多くのマーケティング担当者から共感の声があがりました。
事例で学ぶ BtoBマーケティングの戦略と実践
『事例で学ぶBtoBマーケティングの戦略と実践』は、さまざまな事例をもとに、BtoBマーケティングの型を解説している書籍です。
「リード数が少ない」のように、実際によくある課題について、マーケターがどのようなアプローチをとるべきかがわかりやすく解説されています。
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