デジタルマーケティングとは?基本の手法や戦略、Web集客を成功させた企業事例
マーケ・広告
デジタルマーケティングには、Web広告やSNSの運用をはじめ、さまざまなチャネルを活用した施策があります。しかし、自社にとって最適な施策がわからず、なかなか集客や売上につなげられていない企業も多いのではないでしょうか。
この記事では、デジタルマーケティングの概要と主な施策、戦略策定の流れや成功事例について解説します。
目次
デジタルマーケティングとは
デジタルマーケティングとは、インターネットをはじめとするIT技術を活用したマーケティングの総称です。
近年、オンラインで商品の検索や比較検討、口コミのリサーチ、購入をする顧客が増えるにつれて、デジタルマーケティングの重要度も高まっています。
また、デジタルマーケティングは、従来のマーケティング手法に比べて効果測定や分析の精度が高いうえ、コストを抑えやすいメリットもあります。そのため、ECやWebサービスなどのオンラインビジネスはもちろん、実店舗の集客や販促に活用されるケースも少なくありません。
Webマーケティングとの違い
Webマーケティングは、デジタルマーケティングのうちの一つの手法です。デジタルマーケティングはIT技術を活用したマーケティング全般を指しているのに対し、WebマーケティングはWeb上におけるマーケティングです。
つまり、検索エンジン内で上位表示を目指すSEO、Web広告の運用などがWebマーケティングにあたります。一方、デジタルマーケティングはかならずしもWeb上だけではなく、実店舗のPOSシステムを活用したデータ分析、IoT家電を用いたプロモーションなども含まれます。
デジタルマーケティングの手法
前述のとおり、デジタルマーケティングは広い定義となっており、さまざまな集客・販促手法を含んでいます。そのため、自社の商材やターゲットに合わせて、どのようなデジタルマーケティングを展開すべきかを検討しなければいけません。
以下では、デジタルマーケティングの主な手法について紹介します。
Web広告
Web広告とは、Web上でアプローチする広告です。テレビCMや看板などの広告と比べて、ターゲティングの精度に優れており、効果測定がしやすい点が主なメリットです。
Web広告には、大きく分けて以下の5種類があります。
- リスティング広告
- ディスプレイ広告
- SNS広告
- アフィリエイト広告
- 純広告
以下では、それぞれの広告手法について解説します。
リスティング広告
リスティング広告とは、検索エンジン上において、特定のキーワードで検索したユーザーに対して表示する広告です。広告は、GoogleやYahoo!の検索結果画面の上部や下部に表示されます。
ユーザーの検索キーワードに連動して表示されることから「検索連動型広告」とも呼ばれており、自社の商品やサービスに近いニーズをもつユーザーに絞ってアプローチできる点が特徴です。
狙ったキーワードで上位表示させる方法としてSEOもありますが、SEOはGoogle側から評価を得られないと上位表示できないのに対し、リスティング広告は入札単価を上げれば上位に表示できます。
ディスプレイ広告
ディスプレイ広告とは、Webサイトやアプリの広告枠に表示する広告です。GoogleアドネットワークやYahoo!アドネットワークなどの広告配信プラットフォーム経由で、さまざまな配信面を利用できる点が特徴です。
ユーザーの検索履歴やキーワードをもとにしたターゲティングのほか、過去に自社サイトを訪問したユーザーに表示させるリマーケティングなども活用できるため、属性をある程度絞りながら露出を最大化できる広告手法です。
一方、広告の配信面を細かく選ぶことはできず、ブランディング的に不適切なサイトやアプリ上に広告が掲載されてしまうリスクもあります。
SNS広告
SNS広告とは、SNSプラットフォーム上に表示する広告です。SNS広告を出稿できるプラットフォームには、以下のようなものがあります。
- LINE
- TikTok
- YouTube
ユーザーがSNSに登録する際に入力した情報はもちろん、フォローしているユーザーやよく閲覧するコンテンツなどからターゲティングすることも可能です。
SNS広告は、タイムラインやフィードに自然に溶け込む形で広告を表示でき、ユーザーから敬遠されにくい点が特徴です。しかし、リスティング広告のように、顕在層にアプローチする広告ではないため、短期的にコンバージョンを増やす施策として運用するのは難しい面もあります。
アフィリエイト広告
アフィリエイト広告とは、成果報酬型の広告です。一般的なWeb広告は、広告の表示やクリックによって費用が発生しますが、アフィリエイト広告はコンバージョンが発生したときに広告費が発生する仕組みです。
成果の発生条件や報酬額は広告主が設定できるため、CPA(顧客獲得単価)をコントロールしやすい点が特徴です。
一方、アフィリエイト広告は掲載の保証がありません。ASP(アフィリエイトサービスプロバイダ)と呼ばれる仲介業者を経由して、広告主とメディアがマッチングすると広告を掲載されますが、メディア側は成果が発生しやすい案件や報酬が高い案件を優先的に掲載します。
そのため、メディア側に対して魅力的な条件を提示できないと、広告を掲載してくれる提携先が見つからない可能性もあります。
純広告
純広告とは、特定のWebサイトやアプリの広告枠を購入して表示する広告です。ディスプレイ広告とよく似ていますが、純広告は広告主側が指定した配信面に表示されます。
自社の商品やサービスと親和性の高いメディアを選べるうえ、配信期間や配信枠が決められているため、露出をコントロールできる点が特徴です。一方、あらかじめ配信期間と配信枠によって価格が設定されているため、想定していたような効果が得られなかったとしても広告費は変わりません。
SEO
SEOとは、Search Engine Optimizationの略称です。「検索エンジン最適化」とも呼ばれており、GoogleやYahoo!などの検索エンジンにおいて、自社サイトを上位に表示させるための施策を指します。
SEOには、大きく分けて内部施策と外部施策の2種類があり、それぞれWebサイトの内部・外部でSEO評価を得るための仕組みを整えていきます。たとえば、内部施策にはコンテンツの充実化やサイト構造の最適化、外部施策には被リンクの獲得などがあります。
MEO(ローカルSEO)
MEOとは、Map Engine Optimizationの略称です。「ローカルSEO」や「マップエンジン最適化」とも呼ばれており、Googleマップなどの地図検索エンジンにおいて、企業や店舗の情報を上位に表示させるための施策を指します。
たとえば、Googleマップ上で「レストラン」と検索すると、位置情報をもとに近隣の店舗情報が表示されますが、そのなかでより上位を目指すのがMEOです。
また、検索エンジンで「品川 美容室」のように「地名+ビジネス」の形で検索された際にも、地図検索エンジンのアルゴリズムが一部適用されています。店舗型ビジネスの場合、特定の地域でニーズをもっているユーザーにアプローチできるため、集客力を向上させる手段として効果的です。
コンテンツマーケティング
コンテンツマーケティングとは、ブログ記事や導入事例などのコンテンツを配信することによって、ユーザーに価値を提供するマーケティング手法です。オウンドメディアを用いてSEO戦略の一環として実施されるケースが多く、自然検索経由で獲得した見込み顧客のナーチャリングに効果的です。
また、ホワイトペーパーを配布したり、ウェビナーを開催したりするのもコンテンツマーケティングの一種です。
動画マーケティング
動画マーケティングとは、動画配信によって、見込み顧客の獲得やユーザーへの訴求をするマーケティング手法です。従来、テキストや画像などを用いたマーケティングが主流となっていましたが、スマートフォンの普及や通信回線の高速化などを背景に、より情報量の多い動画が活用されるようになりました。
YouTubeやInstagramなどのプラットフォーム上で配信したり、広告枠に動画を出稿したりするケースがあります。
メールマーケティング
メールマーケティングとは、自社でリストをもっているターゲットに対して、定期的にメールを配信するマーケティング手法です。たとえば、ウェビナー参加の条件として獲得したアドレス宛に営業をかけたり、会員登録している既存顧客にキャンペーンをお知らせしたりする方法があります。
近年、CtoCビジネスにおいては、メールではなくLINEをマーケティングに活用するケースも増えていますが、BtoBではいまだに広く用いられています。
アプリマーケティング
アプリマーケティングとは、自社アプリを活用したマーケティング手法です。アプリをダウンロードしてもらえれば、プッシュ通知でアクションを促せる点が特徴です。
しかし、アプリをダウンロードしてもらうまでにハードルがあるため、アプリ上でクーポン配信やポイント付与などのメリットを提供するのがポイントです。また、かならずしもネイティブアプリを開発しなくても、LINE上で活用できるアプリ機能「LINEミニアプリ」などを活用する方法もあります。
デジタルマーケティング戦略の立て方
いまやデジタルマーケティングは数多くの企業が実施しており、競合他社も取り組んでいるはずです。そのため、ただやみくもに取り組むのではなく、たしかな戦略にもとづいて推進することが大切です。
以下では、デジタルマーケティング戦略の立て方について解説します。
KGIを明確化する
あらゆるマーケティングにおいて、ゴールを明確化することは非常に重要です。目的が定まらないまま、施策をスタートしてしまうと、途中で目指すべき方向がズレてしまうほか、施策の効果測定もできません。
STP分析をする
STP分析とは、市場における自社の勝ち筋を見出すためのフレームワークです。STPは以下の3つの頭文字をとったもので、各要素を順序立てて分析します。
- Segmentation(市場の細分化)
- Targeting(市場の決定)
- Positioning(自社の位置付け)
まず、市場における顧客ニーズをセグメント化して、どのようなニーズがあるのかを調査します。調査した結果は、マトリクスのように図式化しておくと整理しやすくなります。
次に、セグメント化したニーズのなかから、自社のターゲットとすべき層を洗い出します。性別、年齢、居住地などをもとに、ターゲットの属性も設定しておくとよいでしょう。
最後に、競合他社と比較したときの自社の位置付けを確認します。業界のカオスマップを作成するようなイメージです。ポジショニングを検討した結果、ターゲットと考えていた市場がレッドオーシャンで難しいようであれば、再度ターゲティングを見直すのも一つの手です。
カスタマージャーニーマップを作成する
カスタマージャーニーマップとは、顧客が商品を認知してから、比較検討して購入に至るまでの過程を図式化したものです。AIDMAやAISASなどの行動モデルを参考にしつつ、顧客の行動や心理をステップに分けていきます。
また、既存顧客へのアンケートなどを実施して、リアルな行動や心理をヒアリングしてみるのも効果的です。カスタマージャーニーを正しく認識できていないと、的確な戦略策定ができなくなってしまうため、慎重に進めるべきフェーズです。
KPIを設定する
はじめに決めたKGIをもとに、STPとカスタマージャーニーを意識してKPIを設定します。KPIは、KGIを達成するうえで必要となる要素で構成されます。たとえば売上をKGIとする場合、KPIに設定すべき指標は顧客単価やコンバージョン率、ユニークユーザー数などです。
デジタルマーケティングの成功事例
前述のとおり、デジタルマーケティングにはさまざまな手法があります。そのため、どのような手法が自社に適しているのか、悩んでしまう方もいるのではないでしょうか。
そこで施策の策定にあたり、他社の事例をいくつか把握しておくのがおすすめです。自社と同じ業種やビジネスモデルが似ている企業の事例は、とくに参考になるはずです。
以下では、デジタルマーケティングの成功事例について紹介します。
【飲食】敦賀魚河岸 海鮮丼うお吟
敦賀魚河岸 海鮮丼うお吟は、福井県の飲食店です。Instagramに映える海鮮丼の写真を数多く掲載しており、投稿を見たユーザーが全国から来店しています。Instagram上には店内のにぎわいが伝わる写真もあり、店舗を訪れたくなるような仕掛けとなっています。
また、実店舗をメイン事業としつつ、ECも展開している点が特徴的です。自社ECサイトでは店舗の人気メニューを冷凍で販売しており、店舗に足を運べないユーザーのニーズにも対応しています。
【物流】澤運送
澤運送は、創業70年を迎える老舗運送業者です。YouTube動画を活用した採用マーケティングに取り組んでおり、人気の動画は1万回以上の再生数を誇ります。
「新人ドライバーの一日」や「トラックドライバーの適性診断」など、運送業に興味をもった方が気になるポイントをしっかりおさえている点が特徴的です。動画を通してリアルな様子を伝えることによって、入社後のアンマッチを防ぎ、離職率を下げるうえでも役立っています。
【メーカー】ダブルエー
ダブルエーは、女性用シューズを中心に展開するメーカーです。ダブルエーでは、自社で収集したデータからセグメント化したターゲットに対して、SNS広告でアプローチしています。
Web広告の要でもあるターゲティングに力を入れており、効率よく広告を運用している点が最大の特徴です。チャネル別の分析やモバイルユーザー向けの広告展開によって、750%以上のROASを実現しています。
【メーカー】三ヶ島製作所
三ヶ島製作所は、自転車のペダルを製造するメーカーです。デジタルマーケティングのなかでもSNS運用に力を入れており、InstagramとFacebookがメインとなっています。
ビジネスモデルとしてはサイクルメーカーにパーツを卸すBtoBですが、SNSではエンドユーザーに向けた投稿を中心となっており、一般における認知拡大を図っています。
また、BtoBビジネスであっても、取引先担当者との人どうしのかかわりを大切にするという意味合いを込めて、商品ではなく人にフォーカスしたコンテンツを発信しています。
【アパレル】ユニクロ
大手アパレルブランドのユニクロは、デジタルマーケティングの手本ともいえる存在です。ユニクロが注力しているのは、ECや会員証を兼ねるネイティブアプリを活用したOMO施策です。OMOはOnline Merges with Offlineを略したもので、オンラインチャネルから実店舗を組み合わせたマーケティングを指します。
たとえば、ECで購入した商品の店舗受け取り、店舗の商品コードを読み込むとEC上の在庫や口コミが閲覧できる機能もOMOの一環です。いずれも良質な顧客体験を提供するとともに、オンライン・オフラインのチャネル間で相互に送客しあっています。
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